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ケーブルを磨いてこそ次がある

日時

2002年6月14日

場所 池袋サンシャイン 「ケーブルフェア2002」会場
聞き手 大場 亮 (ハーベストプランニング)

クイズでPON! クイズでPON!
 

  佐野教授とは90年ころ初めてお会いしている。ケーブルの現場の経験者でもある佐野教授は、まさにケーブル業界のアドバイザーにして、熱き応援団である。
今年も好例となったの佐野ゼミの学生の皆さんを同行してのケーブルフェア視察のさなか、記念すべき第一回のインタビュー企画として、お時間をいただく機会を得た。

多彩な花が咲くケーブル業界。デジタル化へのチャレンジ。
O 「本日はお忙しいところありがとうございます」
S 「いいえ、新しいサイトのスタートおめでとうございます」
O 「私が先生とはじめてお会いしたのは90年ころですからその頃からするとケーブル業界・フェアの様子もずいぶん変わったということでしょうか」
S 「本当に変わりました。特にここ数年デジタル化やインターネットといった多彩な花が咲き始めています」
O 「今回のフェアで印象に残った点は?」
S 「ケーブルが放送のデジタル化はこれをどうするかという課題になっています。CS・BSのデジタル化が進み、やがて地上波が待っている。こうした中で受信設備・伝送路・ヘッドエンド・STBなどが徐々に整ってきたかなという感じです。そうした意味では、MSOや緩やかな連携の中で、デジタル化に関して独立系の事業者がどうするのかを考えると、例えば三重県のZTVのような方式ですね。線は全部張ってしまって後はそれぞれの自治体の特徴に合せて使ってくださいと。こういうやり方の中にHITSが流れているという活用があると思います。
そうした意味ではハード・ソフト含めて過渡期かなという感じはします」

恒例の佐野ゼミケーブルフェア視察。今年も元気に17名が参加。
O 「では今年も恒例のゼミの皆さんを同行されてのフェア視察ということで佐野ゼミについてお伺いいたします。現在のゼミの内容について教えていただけますか?」
S 「ゼミの学生は、3年生になる学生数をゼミを担当する教員の数で割って、平均受け持ち人数が決まります。各教員が希望する学生に内容の説明会を開き、志望理由とやりたいことを書かせ、面接をして決めます。今年は平均人数が15人で、応募は30人でした。何とか17人までに絞ったのですが、目的がはっきりしていないものや、ミーハー的にテレビ番組を作りたいなどというのがかなりいました。ゼミの内容はもちろんケーブルテレビで、マーケティングや事業収支、経営についても考えます。デジタル化で技術的なことも教えなければならないのがつらいところです」
O 「今年が7期目だそうですが、ゼミに参加されている皆さんはメディアに興味をお持ちになっているのでしょうか?」
S 「そうとも限らないですね。就職の様子を見ますと、結果的にはSEが多いです。これは多分に友達に影響が大きいようですが、今までの卒業生を見ていると残念ながらあまり長続きしていません。ベンチャーに行きたい学生のご両親を説得するのに苦労することがしばしばです。『名前も知らないし、上場もしていない会社で大丈夫か』と時々、相談に来られます。NHKや準キー局も毎年1〜2名いますが、メディアでも新聞、雑誌は人気がありません。ケーブルは地元にあれば薦めていますが、募集が遅いですね。早いところで4年生の6月から7月、遅いところでは10月ころですので、そのころにはほとんど内定してしまっているので紹介しようにも出来ない状況です。それに、地縁血縁で採用することも多いようです」
O 「佐野ゼミの学生の皆さんに期待するものは?」
S 「やはりケーブルやその関連業界へ就職してもらいたいですね。隔年で1〜2人、そういう者がいます。故郷や地元のケーブル会社、番組供給会社、衛星プラットホーム、プロバイダー、eコマース、プロダクションなどです。彼/彼女らがベテランになって活躍するころには、私は引退しているでしょうから、老後を楽しませてもらいたいと言っています、いや冗談ではなく」

ケーブル業界の将来を担うプロパー社員の活躍に期待。
O 「業界にとっては新入社員に限らず人材の充実が大きな課題かと思いますが」
S 「そうです。ただ90年ころから考えればプロパーの社員の皆さんが10年選手になり各部署の責任ある立場で活躍されている。そうした人は出向の幹部の皆さんよりもケーブル事業や地域についてのキャリアがあり真剣に考えていますからね。こういった方々が実力を発揮してくるとケーブル業界の将来も明るいかと、昔の仕事仲間とも話しています」

2005年がケーブルデジタル化の好機か
O 「デジタル化へのチャレンジという意味ではスケジュールについてどうお考えですか?」
S

「実は私自身、フェアに来る前に宿題を与えられているんです。何かというとキャンパス内が端末250〜270くらいの小さなケーブルテレビになっている。450メガで双方向、アナログのシステムです。BSデジタルもアナログで送っているのですが、これをいずれデジタルに変えなくてはならない。これをいつ頃デジタルに変えるべきかという宿題を与えられていまして。私が直感的に思ったのは、2005年度中にデジタル化しようと。このころには地上はデジタルも始まっている。伝送方式も現在3種類あり、ラボの皆さんも苦労されていて本当に感服するのですが、その辺もメドが立っているだろう、STB関係もはっきりしているだろうという状況で、私が経営者であればやはり2005年中に取り組むと思います」


次世代の課題はやはり「光化への投資」
O 「今回のケーブルフェアでも光化の問題が提案されていますが」
S 「確かに有線ブロードバンドネットワークなども事業を展開しています。ある地域では競合しているかもしれませんが、まだまだ地域が限られています。ケーブルの場合現在はHFC(ファイバー同軸ハイブリット)ですが全国に敷設された末端をファイバーに変えられるという意味で、FTTHに一番近いところにいるという強みがあると思います。そうした意味でやはり怖いのは電力系のFTTHですね。どのくらいのペースでどこまでやるのかということでしょう。ケーブルにとってもやはり次世代の投資はFTTHでしょう。ジョージ・ギルダーが『テレコズム』に書いていましたが「次は光の時代だ。光波長多重で全ての情報をケーブルで流す」と。次はそれだろうと思います」
O 「現状においてもケーブルのシステムの潜在力は非常に高いと・・・」
S 「そう思います。わからないのは無線LANの関係です。ケーブルとは競合になるのか協調関係になるのかという問題ですが、その先に有線の限界という問題があります。これだけ携帯電話が普及してモバイル電話・モバイルインターネットの普及の中で有線のサービスをどうやって押し出せるのか。恐らくセキュリティーの問題が解決できれば家庭内での無線LANも普及すると思います」

課題はマーケティング戦略の整備・ケーブルを磨いてより多くの人へのアピールを!
O 「では最後にケーブル業界に携わる皆さんへのエールをお願いします」
S 「課題と感じるのは、これは大場さんの分野かもしれませんが、ケーブル業界がマーケティングというものの理解が薄い。経営者に方に聞きますとうちはマーケティングをやっていますよとおっしゃるわけですが、聴いてみるとチラシだったり時々新聞広告をやったりと。これは広告宣伝の分野であってマーケティングの一部に過ぎないですよね。やはりマーケティング戦略をしっかり練って営業に生かしてほしいですね。今後の業界で言えば、今日もこれだけたくさんの人が入場して、たくさんの方々がこの業界に携わっているわけですから、同軸はファイバーのように光りません。けれども、ケーブルをピカピカに磨いて、より沢山の人たちにアピールできるよう、それぞれの立場での努力が必要だと思います」
 

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