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絶対にあきらめない自分を信じて続けることが大切 朴善子さん
  提供:三協製薬工業株式会社/ニュートリーコミュニケーションズ株式会社
取材企画:大場亮(ハーヴェストプランニング)インタビュー・文/池和田一里 カメラ/佐藤俊一
取材協力/ゴールドジムサウス東京アネックス
 


JR菊名駅からおよそ5分、急な坂を上ってゆくと、黄色い垣根の建物がみつかった。ここが日本補助犬協会の訓練センターだ。チャイムを鳴らすとドアの向こうで元気に足リ回っているワンちゃんたちの足音が聞こえる。
迎えていただいたのは協会副理事長の朴さん。
ここにいる将来の補助犬たちも訓練を終えれば、彼らを待っているユーザーとの生活が始まるのだ。
お忙しいトレーニングの中、補助犬の現状や、教育現場への介在事業などについてお聞きした。
■絶対的に不足している補助犬の現状
今こちらには何頭のワンちゃんがいますか?
今はラブラドリーレトリバー10頭位ですね。将来の盲導犬や、介助犬の候補です。
早速ですが補助犬の現状について教えてください。
朴善子さん

はい、補助犬というのは平成14年に施行された身体障害者補助犬法に基づき、 目の不自由な方の歩行の手助けをする盲導犬、肢体の不自由な方を手助けする介助犬、そして聴覚の不自由な方への聴導犬をいいます。
盲導犬は972頭、介助犬は31頭、聴導犬は11頭です。潜在的な補助犬希望者からすれば大変少ない現状だと思います。

潜在希望者というのはどのように把握されてるのでしょうか?
補助犬たち補助犬の潜在希望者は盲導犬が約7,800名、介助犬と聴導犬が各10,000名といわれています。
これは私も参加した日本財団の調査で割り出した数字ですが、この数字は補助犬を貸与してほしいもしくは興味があると手を上げた方の数です。
障害者の方の中には補助犬の存在やどうしたら補助犬を借りられるのかという情報がまだまだ不足している現状があります。
盲導犬は知られていると思いますが、介助犬、聴導犬の認知度は低いですね。
そうですね。盲導犬は50年の歴史がありますが、介助犬、聴導犬が認可されたのは補助犬法が施行されてからですからまだまだ知らない方が多いですね。

■補助犬を総合的に育成していく日本で初めての団体
では日本補助犬教会について教えてください。
私たちの協会は、盲導犬、介助犬、聴導犬を総合的に育成することを目的に設立された日本で初めての育成団体です。現在は特定非営利活動法人=NPOとして活動しています。
盲導犬だけでなく3つの補助犬を育成することの意味はどこにありますか。
育成サポートシステムやはり重複障害といわれる障害に対する対応が可能なことですね。
例えば介助犬には2種類あり、ほとんどの介助犬は車イスを使って生活している肢体不自由の方の手伝いをする犬です。しかし、バランスドッグと呼ばれる介助犬は、杖歩行の方の立ち上がりや歩行も助ける犬です。 犬の訓練の段階で、この犬には角でとまる、段差でとまる等を教えますが、これらの部分に関しては、盲導犬訓練士が担当することになります。
また育成する側にもメリットがあります。盲導犬はどちらかというとおっとりした性格、介助犬は何にも興味があって遊び好きな性格が向いている。従って育成に当たっても犬の資質を幅広い視点で見ることが出来ると思います。
街の中で盲導犬などを見ると働く犬はかわいそうだなと思うときもありますが。
訓練の様子を見ていただいてもわかりますが、主人に頼まれて手助けしている犬は尻尾を振りながら働いています。つまり犬の幸せというのはペットであろうが補助犬であろうが飼い主との関係で決まると思うんですよ。かわいそうな犬っていうのは飼い主に大事されていない犬、愛されていない犬じゃないかと思いますね。

補助犬とのふれあいが子供たちの優しい心を育む
現在の補助犬協会の活動を教えてください。
現在協会では大きく3つの活動を柱にしています。@補助犬の育成・貸与事業A企業などへの受け入れ促進事業B教育現場への補助犬介在事業です。
特に小学校などでの補助犬介在事業に力を入れているということですが。
私は子供たちの事件に関するニュースを見るたびに、この教育現場への補助犬介在事業にもっと力を入れてゆこうと思っています。通常は補助犬の仕事について説明するのですが、なるべく学年やグループに分けて体験してもらっています。犬は感情が出やすい動物ですから動物の気持ちを考えて行動してくれるようになればいいですね。障害者や動物に対して優しい気持ちをもってくれることが大事だと思っています。
子供の頃の体験は大切ですね。
学校での介在教育はい、私がこの世界に入ったきっかけも子供の頃の体験です。
小学生の頃近所に白い杖を持った目の不自由な方がいらっしゃいました。母親からあれは目の不自由な方が訓練してるんだよということを教えてもらって、それっきりだったんですけども、高校1年のとき愛犬雑誌を見ていたら目の不自由な人のための盲導犬の里親募集というのが出ていて、そのとき私のなかで小さい頃の体験がはじけたんですね。それから母親に無理を言ってパピーウォーカーになり、そのことがきっかけで盲導犬協会に就職し、いま補助犬の仕事をしています。
ですから小さいときの体験は埋もれたままの場合もあるかもしれないけれどいつはじけるかもわからないですよね。
子供たちが地域や職場に出たとき、その体験がはじけてくれればと思います。そのためにもいまは一人でも多くの子供たちに補助犬と触れあってほしいですね。

■一頭でも多くの補助犬を届けたい−必要な補助犬への理解と支援
育成事業には企業や一般の方からの支援も必要ですが。

育成事業・募金箱私たちは育成を中心にやってきましたので企業さんなどへの提案はあまり得意なほうではないのですが、今、あいおい損保さん、J.Pモルガンさん、伊藤忠テクノサイエンスさんなどの企業さんにご支援いただいています。
やはり補助犬の受け入れや会社・店舗などに募金箱を置いていただくなかで、社員一人一人にご理解をいただいてそのエネルギーを伝えていただければというのが私たちの希望ですね。
今後も一頭でも多くの補助犬を育成し、障害者の方々に貸与できるよう、メディアや企業、一般の方々にも広く支援を訴えてゆくつもりです。

今日はお忙しい中ありがとうございました。
  (2006年7月8日 日本補助犬協会訓練センターにて)



  身体障害者補助犬法とは?
  平成14年5月「身体障害者補助犬法」は公布され、10月から施行されました。 その中で「身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴するこを拒んではならない」としてあらゆる交通機関、お店、宿泊施設、会社、住宅などを、身体障害者が一緒に利用できるべきだと宣言しています。
身体障害者補助犬法の詳しいことはこちら
  特定非営利活動法人 日本補助犬協会とは?
  日本補助犬協会は、視覚障害者や肢体不自由者の生活を手助けする盲導犬と介助犬、さらに聴導犬の育成と普及を目的として、日本で初めて設立された団体です。
日本補助犬協会の詳しいことはこちら



  朴 善子さん プロフィール
朴善子(ぱく よしこ)さん プロフィール
特定非営利活動法人日本補助犬協会 副理事長・施設長
大阪府東大阪市出身
1980年より盲導犬のパピーウォーカーとして補助犬育成に参加。1990年、日本盲導犬協会に就職し、自身の経験を基に「しつけ教室」を始める。盲導犬歩行指導員。日本で唯一、3種類(盲導犬、介助犬、聴導犬)の訓練士資格を持つ。(元)日本盲導犬協会施設長(元)日本財団「盲導犬に関する調査」調査委員会メンバー、(元)厚生労働省「介助犬の基礎的調査研究班」メンバー、厚生労働省指定法人介助犬・聴導犬認定委員、横浜市動物愛護推進協議会役員、横浜市災害時動物救済連絡会委員、全国補助犬連合会代表。



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